とある放射線技師のお仕事blog

CTやらMRIを操作して気づいたことを綴っていきます。 放射線技師はアイデアで勝負?!

MRI バンド幅ってどうしてる?

設定で重要な項目の一つでしょうか。

water fatshift なんかとも呼ばれてます。

 

完璧に設定していきたいと思うと他パラメーターとの関係が多くて、、とりあえずエコースペースやSN、TE 、アーチファクトを気にして設定しています。

 

前回の kspaceと信号強度の続きになります。

  

初級編ですが、復習です。

そもそもバンド幅(帯域幅)は何をしているかといえば、、

 

まず信号取得は、あくまでも信号をサンプリングすることで、周波数を復元でき、kspaceに充填されていきます。 

 

サンプリングの精度、kspace のx軸に関する話しです。つまり周波数エンコード傾斜磁場Gxの話しになります。

 

大事なのは、このGx、傾斜を強くすると帯域幅が広くなります。(図解で言えば縦方向の幅)

変わらないFOVにたいしてより広い帯域幅用いることは、より狭く細かいサンプリング間隔を利用できるというイメージです。

 

もう一度、バンド幅が大きいということは、傾斜を強くします。それはより密な周波数帯域となってサンプリングする間隔を細かく変えられます。つまりバンド幅とサンプリング間隔は逆の関係にあります。

 

これもまた傾斜磁場であり、信号の分散と振幅の話しにも繋がります。

 

サンプリング間隔を短くすればマトリックスはより細かくできるというわけですから、傾斜の強さはいかにFOVを小さくできるかという話しにもつながってきますね。

 サンプリング間隔が小さければサンプリング時間も小さく、より密なTR TE をつくりだすこともできます。


そういう意味では傾斜磁場は画像を作る大事な要因の1つです。一瞬でどれくらいの傾斜磁場を立ち上げることができるか、バンド幅を広くできるなら、その装置の性能がよいとも言えそうです。


 

バンド幅を変化させてみると、SNはわかりやすいですが、アーチファクトは気にしながらという感じですね。


基本的にはケミカルアーチとSNの相反関係にもあるので、少しだけSNを稼ぎたい際に利用することもあります。

 

ほかにも例えばsingleshotのような連続する信号取得には、TE 差による信号強度差があります。これがt2フィルタ効果という画像ボケになります。対策としてエコースペースを短くするわけで、ここでサンプリング間隔を短く、つまり、バンド幅の設定が生きてきます。

 

 このような使い方はいろいろなところであるはずです。t2wに限らず、バンド幅との関係は多いです。

 

知っておけばさらに応用できるはずです。