とある放射線技師のお仕事blog

CTやらMRIを操作して気づいたことを綴っていきます。 放射線技師はアイデアで勝負?!

お久しぶりです。

いろいろと考えるところがあったりなかったりで、ログインもかなり久しぶりとなってしまいました。

日々、MRI の研鑽に勤しんでいるつもりですが、頭が疲れますね。
面白い発見があったらまたぼちぼち載せて行こうと思います。

久しぶりの今回はdual energyCTです。
個人的にすごいかもと考えているところで、骨転移の描出についてです。既出かもしれませんが、一見の価値はありそうです。

骨とヨードの2materialdecomposition 、カルシウムと骨髄組織の3material decomposition などのアプリをつかっていけば理論上は骨内の病変描出は可能性があると考えてますが、なかなか難しいようです。
dual energy でなく、サブトラによる濃染検出、描出なんかは有名です。
現在、メーカーさんや学会ではdual energy はどこまで進んでいるのでしょうか、、

その辺りを念頭にいろいろ試したり設定を変えてみたところ、こんな画像が作れました。

ということで、肝癌の骨転移の症例です。


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指し示したところは、病変がありそうということです。

なかなか使えそうな気もしますが、検証するに時間もかかりそうなうえ、自分の職場ではなかなか難しいところがあります。撮影毎に必要性やら被曝やら考慮しなければなりません。

今回の画像はいくつか判りやすい骨腫瘍の部分を把握してから画像を作り込んでいきました。


見てもわかるように腸骨や仙骨、細かな部分の評価はできず、あくまで補助画像として出せそうですが、前もって読影医と相談しながらになります。

さらに撮影条件や分離の計算設定によって大きく結果が変わってしまうことが考えられます。

今回の画像は転移性骨腫瘍でも血流にやや富んでいるCT 値が低いもののみに有用かもと考えています。

踏まえると、病変のCT 値毎にすみわけが必要であったり、DE 画像の一括まとめて重ね合わせるアプリが必要だったりするのかもしれません。

検出能もよくわからず、まだまだ途上のdual energy CT ですが、アプリケーションや計算能力の進化で簡便かつ存在診断に役立つような次世代のCTアプリケーション がででくるんでしょうか。