MRI DWIで呼吸の影響が少ない理由。
今日も3Tに夢中になっていました。
なかなか思うような画像が作れてませんが、少しずつ進んで腹部のsingleshot系は感度、コントラスト共に出来上がってきました。
今回は腹部DWI です。腹部をとるのに同期や息止めをせず、自由呼吸下で撮影もしていたりすると思います。
思いのほかスライス面がきちんとあっていたり、1枚1枚の画像は動きがないものになっていたりします。
ちなみに、、
動きの影響は、本当はDWI でもあるし、おそらくEPIという超高速シーケンス(singleshotのような)だから呼吸の動きは大丈夫、で済む話しではないようです。
小ネタです笑
内容としては昔からある話しで、拡散の原理などは省略しますが、これまでの流れから繋がってくる話しなのでちょうどいい題材です。
ちなみに1.5Tの時にきちんと検討しておけば良かったのですが、、
綺麗な拡散撮れちゃいますよね、DWIBS とよばれたり、どこでも撮れますし。1.5TのDWI はメーカーさんが用意してれたもので十分とれますね。
1.5TのDWIは優秀で、fsの種類の設定を多少変えるくらいで、これまでも与えられるがままに撮影してきました。
最新では時短につながる技術やEPIでないものもでてきてるようです。なにやらいろいろDWIの革新がおきているらしいです、、まぁよくわかりません。
扱ってる装置はマルチバンドEPI も使えますが、まだ検討中です。(使いどころが、、広範囲に有用なんでしょうか)笑
昔はテンソル画像の撮影したり、FAマップで病変の描出ができないかなんて考えたこともあります。
それでも汎用されるEPIシーケンスのDWIの設定は基本です。
b値をいくつにするとかhi b、low b、検査や病変に対して必要な画像についてはドクターにも確認ですね。
腫瘍みつけたら拡散あたりまえ、何もなくても否定する意味で当たり前、になってきてます。画像が歪んでよくわからい、SNが足りてない、アーチファクトがきつすぎる、というのは避けたいものです。たまにやってしまいますが笑
DWIの画質はfsの精度に左右されます。脂肪信号を落としてナンボな世界です。当然脂肪抑制はどれ使おうとか考えますが、腹部DWIではおもいのほかCHESS が使えますね。
今回も腹部の話しになりますが、フリーブレスで撮影して問題がない点に違和感がある技師さんもいると思います。きっと、MRI 現場あるあるだと思います。でも撮れちゃんうんですよね。
とりあえずカラクリの答えは、EPIシーケンスの特徴に加え、分割と加算回数にあるということです。分割の話しはこれまでしてきました。
フリーブレスの設定は、分割はなし、もしくは少なくなっているかと思います。逆にきちんと同期する設定は分割というかsingleshotですね。
マルチEPIは動きの影響の分散を図っていると考えられます。
そもそもEPIシーケンスでもsingleshotとmulti shot とわけることができます。
singleshotであれば呼吸同期で一枚毎に撮影です。multishotであれば自由呼吸下です。
どちらが優れているかといえば精度によりけりなのでしょうか。
マルチスライスでは中途半端な分割はスライスの位置ずれをおこします。作り込む際はsingleかmultiか設定はメーカーさんに聞けばわかるはずです。
本題です。
マルチスライスで分割がないということは、、
1TR で全てのスライスのエンコードを行っているということです。
どう考えても位置はずれます。
しかしミスストレージの影響やアーチファクトも1TR で全スライスに分散させることで低減したり、加算回数で信号の平均を取ってコントラストをあげていると推測できます。
EPIシーケンスは、横緩和が激しく減衰するタイミングでまとめて信号を取得しているので、k空間のエンコードステップ数を限りなく少なくしたり、バンド幅を広めにして、エコースペースをギュッと狭くしてます。
位相エンコードステップ数の減少とサンプリング時間の短縮、これがが歪みアーチファクトを押さえる要因らしいのです。
よってparallel imaging やハーフフーリエ、最大バンド幅(最小TE)をつかっているのですが、、
1.5tで勘違いしてたのは最小TEを目指すことで歪み低減にも繋がると思っていたことがありました笑
結果的にはサンプリング間隔の短縮でTE shortになりますが、TEshort自体は歪みでなくSNをよくするだけです。
余談でエコースペースだけでいえばs社のRESOLVEシーケンスはEPIの約半分のエコースペースです。腹部ではないですが、動きに弱いらしいということでつかいどころは限定しますが歪みに非常につよく重宝しますね。
エコースペースを考える必要のない設定が組めます。
とりあえずparallel imaging は複数コイルが必要ですので、古い装置のときやDWIが必要になるかもと考えたときの対応を考えておきましょう。
ちなみにDWI と歪みは検討と対策され続けてきたテーマですが、メーカーさんの話しを聞いていると、これらの話がもはや過去のものになりそうです。
新しい装置ではいろいろな方向でdirectな励起も可能のようですが、基本は、axial、phase AP、通常のEPI では最短TEを作っていく、これをおさえておけば、とりあえず写真になってきますね。あとからMIPやMPRもできますし。
話しをもどすと、
マルチEPIでは、分割なしでモーションの分散、実効TEを小さくSN向上、エンコード数を減らして歪み低減、さらに数回繰り返してSN向上と信号の平均をとる、などの方法がとられてます。
くどいですが、スライスエンコードも1TR で全スライスで行われている、そこに高速で何度も信号を取得しけいけば、あの、k空間での、よりコントラスト成分によって作られる画像のようになるはずです。
つまり腹部のマルチEPIのDWIはモーションに強い設定を施した結果だといえます。
実におもしろい笑
3Tは検討の余地がまだまだありますね。1.5Tを遥かに凌駕する設定を施していきたいです(希望は、、)
研究は高磁場で進んでいくはずですが、臨床MRIは1.5Tと3Tの狭間でまだまだ揺れ動いて行くのでしょうか。