とある放射線技師のお仕事blog

CTやらMRIを操作して気づいたことを綴っていきます。 放射線技師はアイデアで勝負?!

CT kevimage(DE)と、、

今週はCTです。

過去のCTブログは編集して再度載せていきたいと思います。


今回もkev imageです。こればかり検討してます笑

さすがに飽きてきました、、


それでも少しだけ調整できてきました。

扱っている装置は、kev imageといっても基本アルゴリズムのものではなく元の造影画像(low noise image)に計算画像を重ねたようなものです。そこで重ねる計算画像をどうするか、いろいろ試してきました。


WSでの作業は専ら血管描出なので、それに見合う元画像作りがやはりキモのようです。

個人的に取り組んでいる方法です。高コントラスト分解能重視の関数を選び、noisyなところは逐次近似で緩和させてあげます。これで骨との分離が容易になります。

さらに造影効果の低いところに絞ってCT値を選択的に計算させて、low kev imageを作っています。


これによって多少なりMIPの背景信号の抑制と作業の効率化は図れるみたいです。


扱いが難しいのは、脂肪のCT値はlow kev によってより低いCT値へと移行するので、それだけでも造影効果の増強につながりますが、画像上すべてのCT値で計算させるとアーチファクトも強調されます。

もともと高いCT値のものも同じです。


造影効果増強をよりメリットにできるかは設定次第なんでしょうか。

常に最小kevが最良というわけではないので造影効果、kev値、計算範囲なんかをみながらといった感じです。



MRI 3T t1wはどうする?

腹部のt1wの続き(?)で、頭部t1wについてです。

 

何年も前に議題になったであろう3T頭部t1wのお話です。

なかなか触ってみない事にはわかりません。

たぶん1.5Tを触ってる人には想像つきません。結構びっくりします。

 

 

3Tでは大半の成分はt1値が延長します。

 

3T導入する前はt1延長?なんとかなるんでしょ?くらいに思ってましたが、導入後は頭部t1wを見て、写真がきれいになって当たり前、ではないと思い知らされました笑

 

FSE やらBLADEシーケンスやらとにかくt 1wが難しく、時間もかかります。1.5Tと比べると3Tで使えないあるあるの代表です。

頭部ではコントラストの悪さを解消させるためt1FLAIR を利用してます。

 

頭部ルーチンt1w、、IR 使うんかーいって思いましたね。このマトリックスでこんなに時間がかかって1.5Tのようなコントラストを得る、、

180を最初に1回多く打つうえに、TIの時間分待ってますから信号取得はFSEとくらべたらそりゃかかりますよ、、

 

 

 

通常、造影剤Gdはt1短縮効果によって高信号に映し出されます。

 

一方で、1.5と比較して大半の成分はt1値の延長、これが意味するのは、、、

 

縦緩和のあのグラフで、回復が遅い、ということになり、導入時はそうなんだ~くらい思ってました。が、「遅い」ということはshortTRではコントラストがつきにくいということです。実際、頭部で1.5のFSEのt1wの条件に寄せて撮影してみるとひどく見にくい画像になります。脳実質のコントラストがつきません。

 

とりあえず造影に使えて、コントラストの悪さを解消するため、t1FLAIRを用いています。メーカーさんが用意してくれたt1wもいろいろな種類があって、MRIの猛者が改善に取り組んだ結果がうかがえます。

 

 それでも撮影時間が思いのほか長くなっています。1.5Tに負けてしまうのは許せませんね。

 t1FLAIRはなるほどとおもいましたが、IRを利用しなければならないのが残念です。個人的には、ここぞってとき以外はIRを使いたくありません笑

 

 

FSEでは脂肪信号がつよく、感度補正がうまくいっていないような気もしてたので、相対的に各成分の信号量を調整してあげればと考えてはいました。とにかく脳実質のコントラスト(t1延長)がわるいのと皮下脂肪信号上昇(感度補正の問題?)のダブルパンチです。

 

3Tでは脂肪のt2値はかなり延長しています。多chコイルを使用してるのもあるのかもしれませんが、t1wでTEshortとはいえ、皮下の脂肪信号はつよくなるばかりです。

 

 

まずは分割して相対的に(?)脂肪の信号量を減らしてみました。これはやはり使えそうですが、当然ながらIRのようなコントラスト改善には至りません。

 

非選択的なIRだとnull の問題があるのでIRを扱う自体、高信号(t1値の短いもの)の抑制を考慮して十分なTI が必要になります。だからt1FLAIR なんでしょう。

 

 

CHESS をかけてから少し戻ってきたところで信号取得できたらいいと考えますが、うまく使える設定が見当たりません。

逆にSPIR なんか弱めにかけてもキレイに抑制されてきます笑

3Tでは水と脂肪の共鳴周波数の差が大きくなるので分離自体はしやすいんですよね。磁化率アーチファクトの出方は激しいですけど。

 

 

 選択的脂肪抑制のdelay time なるものがあれば信号量も調整できるんでしょうけど、、1.5Tでは、ちょっとだけ脂肪信号を押さえるような設定をしてコントラスト調整していたこともありました。

 

 

まぁ脂肪の信号量の調整ができたとしてもそれでも脳実質のコントラストはFLAIR には敵いません。

 

 

時短にするにはある程度のコントラストとt 1wとしての役割を果たせばよいといったところになるのでしょうか。

メーカーによってはSEで比較的達成してるところもあるみたいなのですが。

 

 

ちなみに造影用は1シリーズに3DFSEと残りをGRE系で組んでいます。

3DFSEはメーカーさんが入れてくれたもので、多くの施設で採用されてるものだと思います。GREと比較するとこれまでのFSEt1wコントラストでフローボイドもあって、もちろん非常に薄くなっています。

時間(約5分)はかけてますが、転移チェックなどで、一度これを採用すると、後戻りできない画質レベルです。スライス厚1mm(actual)でもSNに余裕があるので時短に努めていく予定です。

 

 

話しを戻しますが、もしかしたら頭部t1wルーティンのあり方そのものを考えなきゃかもしれません。もはや出血の描出をメインとして考えるとt1FLAIRでなくともよいのか、、

 

けれど脳実質のコントラスト、形態的にも、ルーティンのどこかに組み込みたいと考えたらt1FLAIRがやはり正解かもしれません。そこは、t2wやDualIRでくらいでなきゃとも言われそうですが、、


1.5Tのt1wというコントラストは常識的にまだまだ続くということを考えると、とりあえずはIRのコントラストのメリットを乗っけておこうかと思いました。

MRI 腹部t1w 検討中~

3T腹部のルーティンの画像がなかなかいいところまで出来上がってきました。
少し不安に感じていた呼吸同期もいろいろ試して、とりあえず患者さんへの説明で対処しています。
設定でなんとかしてやろうと意気込みますが、やっぱりこうなりますね笑

呼吸同期もまだまだ試したいところはたくさんありますが、とりあえずMRCP、t2系が1.5Tを越えてきました。腹部の撮影が楽しくなります。 

非常にキレイで納得のいく画像が出来上がりつつあります。
singleshot系を作っておけば息止めができない患者さんでも安心です。課題は山積ですが、過程はまずまずといったところです。



今回は腹部t1系の話しになります。
というか悩み中です。頭部でもt1wは納得できていません。

t2系の空間分解能があがってきているのに、従来の設定と変わらずt1wはいくらかという印象です。

腹部ルーティンでは上腹部全体をターゲットにしてるので広範囲になってしまいます。
in-oppの画像ももう少しなんとかならないものかと考え中で、呼吸同期もたまに使いますが、まだまだ改良が必要です。
gre3Dt1fsでは二回撮りであとから繋げて作るようなこともしてみました。そもそも設定自体、時間優先にしてあるものの、ここはあいまいですが、まだまだな気がしています。

何か見落としはないものか、設定の中でもどこを優先したらキレイになるのか、、時短パラメーターをどう使うか、悩みは続きそうです。

MRI DWIで呼吸の影響が少ない理由。

今日も3Tに夢中になっていました。
なかなか思うような画像が作れてませんが、少しずつ進んで腹部のsingleshot系は感度、コントラスト共に出来上がってきました。

今回は腹部DWI です。腹部をとるのに同期や息止めをせず、自由呼吸下で撮影もしていたりすると思います。


思いのほかスライス面がきちんとあっていたり、1枚1枚の画像は動きがないものになっていたりします。

ちなみに、、

動きの影響は、本当はDWI でもあるし、おそらくEPIという超高速シーケンス(singleshotのような)だから呼吸の動きは大丈夫、で済む話しではないようです。

小ネタです笑


内容としては昔からある話しで、拡散の原理などは省略しますが、これまでの流れから繋がってくる話しなのでちょうどいい題材です。

ちなみに1.5Tの時にきちんと検討しておけば良かったのですが、、
綺麗な拡散撮れちゃいますよね、DWIBS とよばれたり、どこでも撮れますし。1.5TのDWI はメーカーさんが用意してれたもので十分とれますね。

1.5TのDWIは優秀で、fsの種類の設定を多少変えるくらいで、これまでも与えられるがままに撮影してきました。


最新では時短につながる技術やEPIでないものもでてきてるようです。なにやらいろいろDWIの革新がおきているらしいです、、まぁよくわかりません。
扱ってる装置はマルチバンドEPI も使えますが、まだ検討中です。(使いどころが、、広範囲に有用なんでしょうか)笑

昔はテンソル画像の撮影したり、FAマップで病変の描出ができないかなんて考えたこともあります。
それでも汎用されるEPIシーケンスのDWIの設定は基本です。


b値をいくつにするとかhi b、low b、検査や病変に対して必要な画像についてはドクターにも確認ですね。


腫瘍みつけたら拡散あたりまえ、何もなくても否定する意味で当たり前、になってきてます。画像が歪んでよくわからい、SNが足りてない、アーチファクトがきつすぎる、というのは避けたいものです。たまにやってしまいますが笑

DWIの画質はfsの精度に左右されます。脂肪信号を落としてナンボな世界です。当然脂肪抑制はどれ使おうとか考えますが、腹部DWIではおもいのほかCHESS が使えますね。


今回も腹部の話しになりますが、フリーブレスで撮影して問題がない点に違和感がある技師さんもいると思います。きっと、MRI 現場あるあるだと思います。でも撮れちゃんうんですよね。


とりあえずカラクリの答えは、EPIシーケンスの特徴に加え、分割と加算回数にあるということです。分割の話しはこれまでしてきました。

フリーブレスの設定は、分割はなし、もしくは少なくなっているかと思います。逆にきちんと同期する設定は分割というかsingleshotですね。

マルチEPIは動きの影響の分散を図っていると考えられます。

そもそもEPIシーケンスでもsingleshotとmulti shot とわけることができます。

singleshotであれば呼吸同期で一枚毎に撮影です。multishotであれば自由呼吸下です。
どちらが優れているかといえば精度によりけりなのでしょうか。


マルチスライスでは中途半端な分割はスライスの位置ずれをおこします。作り込む際はsingleかmultiか設定はメーカーさんに聞けばわかるはずです。



本題です。
マルチスライスで分割がないということは、、

1TR で全てのスライスのエンコードを行っているということです。
どう考えても位置はずれます。


しかしミスストレージの影響やアーチファクトも1TR で全スライスに分散させることで低減したり、加算回数で信号の平均を取ってコントラストをあげていると推測できます。

EPIシーケンスは、横緩和が激しく減衰するタイミングでまとめて信号を取得しているので、k空間のエンコードステップ数を限りなく少なくしたり、バンド幅を広めにして、エコースペースをギュッと狭くしてます。


位相エンコードステップ数の減少とサンプリング時間の短縮、これがが歪みアーチファクトを押さえる要因らしいのです。

よってparallel imaging やハーフフーリエ、最大バンド幅(最小TE)をつかっているのですが、、
1.5tで勘違いしてたのは最小TEを目指すことで歪み低減にも繋がると思っていたことがありました笑

結果的にはサンプリング間隔の短縮でTE shortになりますが、TEshort自体は歪みでなくSNをよくするだけです。


余談でエコースペースだけでいえばs社のRESOLVEシーケンスはEPIの約半分のエコースペースです。腹部ではないですが、動きに弱いらしいということでつかいどころは限定しますが歪みに非常につよく重宝しますね。
エコースペースを考える必要のない設定が組めます。

とりあえずparallel imaging は複数コイルが必要ですので、古い装置のときやDWIが必要になるかもと考えたときの対応を考えておきましょう。

ちなみにDWI と歪みは検討と対策され続けてきたテーマですが、メーカーさんの話しを聞いていると、これらの話がもはや過去のものになりそうです。


新しい装置ではいろいろな方向でdirectな励起も可能のようですが、基本は、axial、phase AP、通常のEPI では最短TEを作っていく、これをおさえておけば、とりあえず写真になってきますね。あとからMIPやMPRもできますし。


話しをもどすと、
マルチEPIでは、分割なしでモーションの分散、実効TEを小さくSN向上、エンコード数を減らして歪み低減、さらに数回繰り返してSN向上と信号の平均をとる、などの方法がとられてます。

くどいですが、スライスエンコードも1TR で全スライスで行われている、そこに高速で何度も信号を取得しけいけば、あの、k空間での、よりコントラスト成分によって作られる画像のようになるはずです。

つまり腹部のマルチEPIのDWIはモーションに強い設定を施した結果だといえます。

実におもしろい笑


3Tは検討の余地がまだまだありますね。1.5Tを遥かに凌駕する設定を施していきたいです(希望は、、)


研究は高磁場で進んでいくはずですが、臨床MRIは1.5Tと3Tの狭間でまだまだ揺れ動いて行くのでしょうか。

MRI バンド幅ってどうしてる?

設定で重要な項目の一つでしょうか。

water fatshift なんかとも呼ばれてます。

 

完璧に設定していきたいと思うと他パラメーターとの関係が多くて、、とりあえずエコースペースやSN、TE 、アーチファクトを気にして設定しています。

 

前回の kspaceと信号強度の続きになります。

  

初級編ですが、復習です。

そもそもバンド幅(帯域幅)は何をしているかといえば、、

 

まず信号取得は、あくまでも信号をサンプリングすることで、周波数を復元でき、kspaceに充填されていきます。 

 

サンプリングの精度、kspace のx軸に関する話しです。つまり周波数エンコード傾斜磁場Gxの話しになります。

 

大事なのは、このGx、傾斜を強くすると帯域幅が広くなります。(図解で言えば縦方向の幅)

変わらないFOVにたいしてより広い帯域幅用いることは、より狭く細かいサンプリング間隔を利用できるというイメージです。

 

もう一度、バンド幅が大きいということは、傾斜を強くします。それはより密な周波数帯域となってサンプリングする間隔を細かく変えられます。つまりバンド幅とサンプリング間隔は逆の関係にあります。

 

これもまた傾斜磁場であり、信号の分散と振幅の話しにも繋がります。

 

サンプリング間隔を短くすればマトリックスはより細かくできるというわけですから、傾斜の強さはいかにFOVを小さくできるかという話しにもつながってきますね。

 サンプリング間隔が小さければサンプリング時間も小さく、より密なTR TE をつくりだすこともできます。


そういう意味では傾斜磁場は画像を作る大事な要因の1つです。一瞬でどれくらいの傾斜磁場を立ち上げることができるか、バンド幅を広くできるなら、その装置の性能がよいとも言えそうです。


 

バンド幅を変化させてみると、SNはわかりやすいですが、アーチファクトは気にしながらという感じですね。


基本的にはケミカルアーチとSNの相反関係にもあるので、少しだけSNを稼ぎたい際に利用することもあります。

 

ほかにも例えばsingleshotのような連続する信号取得には、TE 差による信号強度差があります。これがt2フィルタ効果という画像ボケになります。対策としてエコースペースを短くするわけで、ここでサンプリング間隔を短く、つまり、バンド幅の設定が生きてきます。

 

 このような使い方はいろいろなところであるはずです。t2wに限らず、バンド幅との関係は多いです。

 

知っておけばさらに応用できるはずです。

 

MRI この設定、実に面白い

kspace と信号強度の関係について述べさせてもらったので、、実用編です。

文章がめちゃくちゃになってたので少し訂正しました笑

 

2D singleshot heavy t2について検討していきます。

知ってる技師さんからすればあるあるですが、理解できると気持ちいいところです。

 

myelo、MRCP、KUB、Bpass、、水成分だけを強調したいときに多用されます。

導入時は1.5Tに負けてしまう画像ばかりで、先生からも、myeloが汚い、一本一本の神経を描出しろ!と喝が、、1.5の設定を見ながら、思い出すよう作り直しました。


まだ作れていない部位もありますが、基本的な設定は同じなので、
今回はMRCP に関して考えてみます。


どうやらこのシーケンスのポイントはハーフフーリエやparallel imaging を使わないところにあるようです。mrcpに関しては動きによる制限もあるので、ちょっと検討が必要ですが、、


k 空間におけるラインの充填を全く省略しないという使い方です。
技師にとって武器となる考え方の一つです。

ついつい時短に走りがちですが、水成分だけだからといって侮るなかれ、神経の通り道や細い管の描出は、明瞭に詳細にするため、k空間の辺縁系の成分が必要です。

 

動きについては1TR で高速収集するので問題ありませんが、SN が限定されます。
しかも加算回数を増やすとなると動きの影響はなんとも言えません。

 

MRCPはそんなこんなで通常は息止め、加算回数1です。

 

そしてやっぱりでてくるfsですが、なかなか厳しいものもあります。
かなり長いTE は脂肪の回復がおきてきますから、抑制精度に影響します。

 

メーカーさんによって設定の違いはいくらかありますが、とりあえずブラーリングやらアーチファクトの影響を考え、エコースペースが最短になるよう努めます。
これがなかなかたいへんで、いろいろ探しました。

 

連続するリフォーカシングパルスの間隔をギュッ!と縮めて、打つわけです。


そしてこのシーケンス、面白い設定です。

取得された信号は、kspaceのラインに、端から端へとlinear(直線的)に充填されていきます。

Singleshot でマトリックスを増やし、
エコースペースを最短、
kspaceの充填を省略しない設定をしていくと、
むしろ必要となるTEが1000近くになります。 

 

heavyt2だからといってただTE をあげても綺麗な画像は得られません。

linear なのでおのずとTE は伸びてきて、heavy t2になっていくわけですが、まぁムダがありません。

 

結果的に水成分のみ写しだされていくわけです。

 

 

MRI kspace と信号強度

新人さん向け、復習です。


本に書いてあることを自分なりにかみ砕いてみます。現場でつかえる設定の印象に役立つ話しです。

本に書いてあることと設定やパラメーターが繋がらないことってたくさんあると思います。

 

とりあえず初めに、取得したそれぞれの信号強度は、どれも同じではないということです。なぜか、、

 

 

まずは一つの成分の信号強度を考えます。

各図をイメージしていきましょう。

 

FSE法なら180pulseを打つ間隔(TE )によって、横磁化の減衰時間となり、そのまま信号強度になります。

TE が大きくなるほど減衰して信号強度(SN )はおちます。

 

次に2回目(2TR目)の信号取得とその強度を考えます。


90pulseで縦磁化ベクトルを倒します。

縦磁化ベクトルと横磁化ベクトルは、回復と減衰の速度は違えど、同じ「力」になります。 

信号強度、SNとなる「力」の動きは一目瞭然です。大切なのは縦磁化ベクトルを倒した信号強度はそのまま横磁化の強度に反映されるということです。

縦から横に倒される「ベクトル(力と方向)」の図の意味はここにあると気づかされます。

 

つまり回復時間が短いとなると、2TR目からは短いTRでは信号強度が落ちていきます。
FSEでは連続するリフォーカシングパルス間でより顕著です。

 

信号群はFSEやTRの設定で信号強度は落ちていくということです。

 

 

次に、

そもそもTEの決定はどのようにされているかを理解します。


kspace の中央に配置されたものが 表記TEですが、技術的にどの信号がTEを決定するかといえばおなじみ、位相エンコードです。

 

位相エンコードの傾斜磁場強度が0となる信号が最大振幅となってTE の決定をしています。

 

エンコード(位置決定)するというのは磁場をかけることなので、その傾斜磁場強度0としてエンコードされた場合、信号は当然分散がないので最大信号強度になります。

 

つまりTE の設定は位相エンコードの傾斜磁場強度0をどこに持ってくるかで、全信号のうちどれを最大振幅にするかなのです。

 

強度0を中心としてエンコードされつつ、傾斜磁場の振幅が大きいほど得られる信号は分散によって小さくなるということです。

 

TE は位相エンコード傾斜磁場強度0ということです。


ここで例えばFSEでt1wのような短いTEを設定した場合、取得した信号はkspaceのどのあたりから 充填されるでしょうか。


この場合、収集された信号群のうち傾斜磁場強度0は、順番からいえば最初のあたりにきてなければおかしいですね。

 

TE が長くなるほど位相エンコード傾斜磁場強度0は、信号のなかで取得順でいえば後ろ後ろへと移動します。

 

そしてその最大振幅の信号がkspaceの中央にくるはずです。


答えは中央から埋めていくことになります。

 



まとめると、

位相エンコードの傾斜磁場強度0(最大振幅)がTE を決定し、最大振幅となった信号はkspaceの中央に埋められるということです。

シーケンス図とkspaceの図を書いてTEが長短の場合をそれぞれ考えてみましょう。

 


これらをさらに考察していくと、

できあがる画像はTR TEが同じもしくは極めて近いからといって常に同じような性質の画像とは限りません。

取得した信号強度は異なるうえに、Linear 、low high などの方法で充填されると、kspace の特性があらわれます。


そしてTEの決定によっては充填方法がおのずと限定されるということです。

 

どれも、逆もまた然りです。

 

kspaceと信号強度を考えながらの設定はMRIをさわるうえで必要になってきます。