とある放射線技師のお仕事blog

CTやらMRIを操作して気づいたことを綴っていきます。 放射線技師はアイデアで勝負?!

MRI 1.5T頭t2wシリーズ、TR TE はどうする?

プロトコルをつくっていく上で、施設よっての決まり事があるので、ふーん、程度に思ってもらえればと思います。一例だと思ってください。

こちらでは頭ルーチンの撮影は、t2w,MRA,dwi,t2FLAIR,t2スター, t1wとあとは検査目的に応じて追加です。ほぼ全部撮りです。15分くらいで設定してます。

t2wに話しを戻します。

優先順位をどこにするか難しいところですが、頭部では加算回数2を基本的には使っていきます。フロー、モーションのアーチファクトが脳実質に乗っかって梗塞所見のように見えることがあるので、急がないかぎり2回データ取得を繰り返して信号の平均化をさせてます。

pallale imagingはメーカーに依存するところが大きいのでここでは詳細を控えますが、綺麗な写真を目指すなら、究極は使わないことです笑。そうもいってられないので、使ってますが、モーションに弱い場合はいれないし、問題なければ多用したり、画像に影響しない領域で少しいれたりとしています。

髄液のフローボイドを避けるためなるべく低いTEを利用していきたいところですが、高めのTEでもコントラストのメリハリもあるので悪くありません。白質や灰白質コントラストを気にするとこですが、低めでも問題なさそうです。
さらに流速補正を入れて、TRも同じように落としどころを決めていきます。

ちなちに1.5Tでも3.5mmのスライス厚でルーチンを組んでいます。全脳36枚では非常に長いTRになります。5mm厚が一般的ですが、3Tでも36枚にしているので他施設との比較は仕方ないといったところですが、今や3D(ボリュームデータ収集)でthinスライス撮影も当たり前なのでスライス厚に対する考え方はよくわかりません。

1.5Tでは、長いTR自体問題ありませんが、長すぎるTRはk 空間でのミスストレージを引き起こしモーションに弱くなります。
例えばTR8000msと、分割して4000ms×2の撮影で、8秒を20回繰り返すか、4秒を20回×2セット繰り返すかの違いです。撮影時間の半分で体動があったとするなら、分割のないTR8秒では最初から最後まで全スライスがモーションの影響をうけますが、TR4秒の場合は半分のスライスのみ影響をうけるだけで済みます。それをokとするかどうかはおいておきますが、、

ということで、とりあえず分割をしてコントラストが許すかぎり、短いTR をめざします。
また隣接するスライスの影響を少なくするため、通常の2d(マルチスライス)では励起するスライスの順番を変えることも可能です。
分割の話しで前回、基本1TRのなかに全部90,180パルスをいれてしまうことを述べましたが、さらに励起順を変えれるということです。
ただし、1TRが4000msだとすれば、そのなかで励起順がかわっても気休めレベルかもしれませんが、分割することでよりスライス間の影響を少なくすることはできそうです。
励起順やどのようにスライスを分割するかなど、いろいろなパターンを組むことができます。分割を考えると全スライス枚数を割りきれる数字がよいはずです。

頭部では枚数などの変更はそうそうないので、最初にアプリの方がこれらを考慮した設定を組んでいてくれてるはずです。

そして、TEやTRは実は様々な設定を考慮して得られた結果から、後で決めるのもいいかも知れません。コントラスト重視というより空間分解能重視における組み方ですね。
コントラストの理想はありますが、実際見てきめるのも悪くないと思います。脳実質やそれらとのコントラスト、感度など、放射線科のドクターがいて相談できるので、なせる業かもしれませんが。

t2wに非常に重点をおいているのであれば、やはりコントラスト重視で、問題あればTE TR は変更せざるを得ません。
今や1検査でいろいろなシーケンスが取れるようになっているだけに、マトリックスコントラスト、撮影時間のトレードオフは先生方との相談ですね。



次回につづく